「自分にできることをしたい」-ある村のおっちゃんの言葉。

こんにちは!新卒「国際協力師」の延岡由規(@yuki_nobuoka)です。

今週から、地雷被害者を含む障がい者家族の生計向上支援プロジェクトのモニタリング調査を開始しました。

事業内容についてはこちらを。

カンボジア事業紹介「生計を整える」−その1

2017.05.14

この事業では、カウンターパート(現地における協働実施機関、移転技術の受入れ先となる人や組織のこと)団体が以下2つあります。

・現地NGOであるCRDNASE(Community Rural Development of Natural Agriculture for Supporting Environment

・カンボジア バッタンバン州農林水産局

加えて、カンボジアで障がい者に対する福祉関連を管轄するバッタンバン州社会問題・退役軍人・青年更生局社会福祉課のスタッフらとも連携を取っています。

プロジェクトをより持続的なものにするために、このような各関係組織と手を組んで展開していきます。

今年度4月より開始した本事業において、まずは1年弱の活動による対象家族の変化を見ようということで、今週からカウンターパート団体のスタッフらと一緒に家庭訪問を開始したのです。

そのなかで、嬉しい出来事があったので書いておきます。

 

自分にできることを

わたしたちが対象としているのは、バッタンバン州でも西部 タイ国境に位置するカムリエン郡に住んでいる方々です。

スララオ・トン村に住むカンさんは元兵士。

カンボジアで戦闘が起きていた1982年、アンコールワットで有名なシェムリアップの東側に位置するプレア・ヴィヒア州に駐屯していた際に地雷事故に遭いました。

PMNと呼ばれる旧ソ連製の大型対人ブラスト地雷の爆発によって、左足を失ってしまいました。この型の地雷による被害者のほとんどは、爆発の威力で足の下部が吹き飛ばされてしまいます。

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プロジェクト開始前から換金作物であるキャッサバやトウモロコシの栽培に励んでいたのですが、それらの買取価格が下落した影響を受けて厳しい生活を送っています。

今年度は以前より彼自身も飼育していた鶏の技術訓練を提供しました。

また、狭い土地でも栽培可能な家庭菜園にも、熱心に取り組んでいます。

新卒NGO職員がゆく。photo by 延岡由規 新卒NGO職員がゆく。photo by 延岡由規

本プロジェクトの対象は100世帯です。

それだけ対象者がいれば色々な問題があるものの、積極的に参加してくれるカンさんは他の村人のロールモデルにもなり得るぐらい、かなり頑張っています。

そんなカンさんの家に訪問したとき、こう言われました。

テラ・ルネッサンスの支援のおかげで、生活は徐々に変わりつつある。

なにか、お返しできることはないだろうか。

それをいつも考えているんだけど、いい答えが見つからない。

だからまずは、自分にできることを一生懸命やっていきたいんだ。

 

恩返しよりも、バトンを渡す

援助関係者であるわたしたちにできること、わたしたちがやるべきことは、対象者・対象地域に内在する力が発揮される環境整備です。

未来をつくりだす力は、本来彼ら彼女らのなかに十分すぎるほどあるのです。

それらが芽を出すのを阻害する要因を、できる限り取り除いていくこと。同時に、芽が出やすいように周りの環境をしっかりと整えていくこと。

それをやっていけば、自らの力で壁を乗り越えていけるのです。

そして、「自立」した生活に近づいてきた対象者らは、次の人のことを考えます。

ウガンダで元子ども兵の社会復帰支援に携わっていたとき、彼ら彼女らは口を揃えてこう言いました。

自分たちは支援によって生活を向上することができた。

次は、自分が、困っている人に手を差し伸べる番だ。

自分たちこそ、コミュニティで平和をつくっていく役割を担っていくんだ。

それと同じようなことを、ここ、カンボジアでも感じつつあります。

カンさんも、もしもわたしたちのサポートによって生計が向上していったら、わたしたちに恩返しをするんじゃなくて、次にそのバトンを渡してほしい。

そうやっていけば、少しずつ、でも着実に平和への想いは繋がり、広がっていきます。

3月には1番下の娘さんが帰ってきて家を建てて、一緒に住む予定だそうです。

出稼ぎで、タイ国境にあるカジノで働いている娘さんと再び一緒に暮らすのがとても楽しみだと、笑顔で語ってくれました。

新卒NGO職員がゆく。photo by 延岡由規

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