カテゴリ: 国際協力

こんにちは!新卒「国際協力師」の延岡由規(@yuki_nobuoka)です。

本日はカンボジアの国民の祝日。「虐殺政権からの解放日」です。

39年前の1979年、クメール・ルージュのポル・ポト派による政権が崩壊しました。それを記念して、毎年1月7日は祝祭日となっています。ただ、今日は日曜日なので振替休日で三連休をいただいています。

日本も成人の日で三連休ですよね?

 

今回は、そんな休日にわたしが観た映画を紹介します。

・今まさに、国際支援の現場に携わっている方

・青年海外協力隊やボランティアで「途上国」に行く予定のある方

・グローバルなソーシャルビジネスをしたい方

それから、

・NPO/NGOに寄付をしたいと考えている方

におすすめです。

つまり、国際協力・貧困問題に関心のある方すべてに観ていただきたい映画です。

 

その映画はこちら。

『ポバティー・インク〜あなたの寄付の不都合な真実〜』

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すでに観たことがある方も多いかもしれません。



2014年にアメリカで製作され、日本では2016年8月6日に一部の映画館で公開が開始されました。

 

映画の概要


『ポバティー・インク』の公式サイトによると、以下の通りです。
「貧しい気の毒な人たちのために手を差し伸べよう」「彼らは無力で何もできない」

そんなイメージを謳い、繰り広げられてきた営利目的の途上国開発は、今や数十億ドルに及ぶ巨大産業となっている。その多くの援助活動が失敗に終わり、援助の受け手がもともと持っている能力やパワーも損ないさえする。


私たちの「支援」がもたらす問題は?正しい支援のあり方とは?途上国とどう向き合うべきなのか?ハイチやアフリカを主な舞台に、支援される側の人たちの生の声を伝えるドキュメンタリー。
引用:映画『ポバティー・インク ~あなたの寄付の不都合な真実~』 公式サイト Poverty, Inc.



youtu.be

国際協力において触れることが、ある種タブー視されている「援助のビジネス化」「貧困産業」

普段なかなか声の届かない、「支援される側=受益者」の視点で、行き過ぎた支援/援助の現実が描き出されています。

 

名ばかりの「貧困削減」「国際援助」


『ポバティー・インク』は2016年の公開後、東京に用事があった際に渋谷のアップリンクで観たことがあります。


その時の率直な感想は「こんなのありか」ってこと。


当時は1年間の休学期間を終えて、学生生活を送っていました。つまり、ウガンダで5ヶ月間、カンボジアで3ヶ月間のインターンをし、国際支援の現場でがっつりと活動をした後のことです。この時にはすでに、国際協力NGOへ就職という大学卒業後の進路も決まっていました。


この先、国際協力と長く付き合う上で「本当に意味のある支援/援助って何だろう?」という問いを考えていこうとしていた頃、この映画を観ました。


ウガンダやカンボジアでは規模は大小あれど、たくさんの援助機関が活動をしてきました。実際にそれらの専用車両と道路ですれ違うこともしばしば。


長年、数多くの援助機関が介入をしているこのような国は、「援助漬けの国」なんて表現されることもあります。


ただ、現地で生活していると、ひとつの疑問が湧き上がってきたのです。


「これまで数多くの関係機関が支援を展開してきた(している)にも関わらず、なぜ未だに問題が解決されないのだろう?」


何度も読み返している、テラ・ルネッサンス理事長の小川さんは著書でこのように書いています。



過去50年問、欧米諸国は230兆円もの援助マネーを使ってきましたが、欧米諸国からのこの莫大な援助や開発資金はアフリカを改善するどころか、絶望的な混乱を招いています。
引用:『ぼくらのアフリカに戦争がなくならないのはなぜ?』小川真吾、合同出版

230兆円って想像できますか?

同書では「6000年前の縄文時代前期から、毎日、1億円を使い続けても使いきれないほどの金額」と表現されています。


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国際社会はこれまでに、とんでもない額のお金を「援助」につぎ込んできました。

それでも問題が解決されていないのは、なぜでしょう。

『ポバティー・インク』を観たら、その一因が理解できます。


人々の善意から生まれる「援助」がやがてビジネス化し、現行の「貧困ビジネス」「援助産業」によって現地の人たちの生活に、いかにネガティヴな影響が及んでいるかがありありと描かれています。


その中では、特定の個人や組織、国にも言及しています。


援助ビジネスの様態を改めて突きつけられたこと。


加えて、「メディアってここまでできるんだ」という驚きと感嘆の気持ちも含めて「こんなのありか」という感想を抱いたことを覚えています。


そして今、国際協力NGO職員として支援現場に立つ者として「もう一度観ておきたい」と思い、帰国時に購入したDVDを持ち帰ってきたのです。


「本当に意味のある支援/援助とは?」


この問いに挑み続けるために。


 

彼ら/彼女らが「今」必要としていること


映画の冒頭で語られる言葉に、すべてが詰まっています。



開発援助を語るとき、考えるべきは、力を誰が持っていて、本来、誰が持つべきかです

 

・・・・・・

まさに今、観るべき映画でした。


実際に現場で支援活動に従事している者として、ひとつひとつの言葉がぐさっと胸に刺さる感覚。


 

「誰のためのプロジェクトなのか」


 

改めて「支援/援助のあり方」について考え直す、良い機会となりました。

この視点は常に頭に置いておかないと、おかしなことになってしまう。というか、すでにいくつかの組織、地域ではおかしくなってしまっているようです。


何かを始めるということは、同時に、それを終えようとすること。「支援」を始めるのならば、それを終えても良い(援助関係者が撤退しても、現地の人たちが生活を維持していける)状況をつくっていく視点を忘れてはならない。

大事なのは「引き際の見極め」なのかなあと、『ポバティー・インク』を観ていて強く思わされました。



まとめ


全編を通して「決して援助自体を批判するものではない」という姿勢が一環としてとられています。問題なのは、そのやり方。


つまり、関係者らによるこれまでの「押し付け援助」です。


とはいえ、作品の中では援助に対する批判的なコメントがかなり連ねられています。




援助すればするほど、さらに援助が必要になります


援助で発展した国などありません



これらには枕詞として、「これまでのやり方による押し付けの」というのを頭の中で付け加えて観ていただきたいです。


繰り返しますが、決して人の善意からくる行動を否定するような映画ではありません。


ただ、外から介入していくわたしたち(援助関係者)は、特に注意が必要です。


たとえ自分自身が意図せずとも、現地の社会には何かしらのネガティヴ・インパクトも与えてしまっている可能性があるのです。


「誰のための支援/援助なのか」

「誰のためのプロジェクトなのか」

これだけは忘れないでおきましょう。

断言できます。


『ポバティー・インク』は、国際協力に関わっている、関わりたいと考えているすべての人が観るべき映画です。


彼ら彼女らは決して、一生支援が必要な「貧しくて、かわいそうな人たち」なんかじゃないんです。


エンディングソングが終わった後の15秒を確実に見逃さないようにしてください。とても大事なメッセージが込められています。

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活動を通して、村の人たちから学ぶことは山ほどあります。

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こんにちは!新卒「国際協力師」の延岡由規(@yuki_nobuoka)です。

前回の記事では、わたしが「笑顔」の大切さに気づくこととなった経験を書きました。

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この記事では、具体的な「笑顔」の持つ力をご紹介しながら、思いつきで決めてしまった「笑顔の日」について書いていきます。

新卒NGO職員がゆく。photo by Yuki Nobuoka

 

「笑顔」ってすごいんです!


あれこれ書くよりも、これを観ていただくのが手っ取り早いです。

手抜きで申し訳ございません(笑)

笑顔について研究をしているRon Gutman氏によるTEDの講演映像です。

タイトルは

“The hidden power of smiling”

「笑みの隠れた力」

この中で、様々な科学的研究結果をもとに、笑顔が持つ力が紹介されています。
笑顔を浮かべることによってホルモンの分泌が健康効果をもたらしたり、笑顔が周りの人に影響を与えたりなど、観ていて普通に面白いので、ぜひご覧ください。

日本語字幕も出すことができます。

www.ted.com

他にも「笑顔 効果」なんかで検索すると、笑顔がもたらすメリットに関する情報が山ほど出てきます。

 

「喜怒哀楽」はバランスが大事


人の感情を表す四字熟語に「喜怒哀楽」があります。

これは文字通り「喜び・怒り・哀しみ・楽しみ」の4つの感情を表します。

みなさん、この4つをバランスよく体感していますか?

わたしは仕事上、というか性格上、「喜」と「楽」にかなり偏りがちです。

特に「怒」に関しては生まれて此の方、全くと言っていいほど感じたことがありません。ただし、サッカーをしていた時は別ですが(笑)あと、ニュースを読んでいる時も静かに怒っているかもしれません。

わたしはもともと涙もろい方なんですが、最近やけに泣きたくなる時があります。これは何か精神的に病んでいるとかではなく、正常な心の動きだと思っています。

なぜなら、上記の通り「喜」「楽」に偏りがちな感情を持ち合わせているからです。

休みの日には、Youtubeで泣ける動画を検索したり、泣ける映画を観たりして、感情のバランスをとっています。

2015年に公開されたディズニー/ピクサー映画『インサイド・ヘッド』をご存知ですか?
主人公の少女の頭の中にある5つの感情「ヨロコビ・イカリ・ムカムカ・ビビリ・カナシミ」が物語を展開していきます。
わたしもいつか飛行機の中で観て、とても印象に残っている映画です。感情という普段は可視化されないものがキャラクターとなって、その深みや複雑さといったところに焦点が当てられています。
観終わった後、あなたはきっと、自分をもっと好きになっているー。驚きに満ちた、誰も見たことのない“頭の中の世界”で繰り広げられる、ディズニー/ピクサーの感動の冒険ファンタジー!(引用:作品情報|インサイド・ヘッド

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毎月25日は「笑顔の日」


そんなこんなで、思いつきで決めました。

毎月25日は「笑顔の日」にします。

調べてみると、すでに2月5日がそのようになっているようですが、1年に1回よりも、ひと月に1回の方が良くないですか?

具体的にやることとしては、以下の通り。

「#25日は笑顔の日」というハッシュタグをつけて、インスタで笑顔の写真を投稿します。
それも、この1ヶ月の中で飛びっきりの1枚を。

とっても単純ですが、まずはやってみます。

みなさんにも簡単にご参加いただけます。

カメラロールを眺めてみて、この1ヶ月で撮影した飛びっきりの笑顔の写真を、「#25日は笑顔の日」というハッシュタグをつけて投稿してください!

もれなく、わたしが探しに行ってリアクションをします(笑)

それだけか!とつっこまれるかもしれません。

 

でも、わたしは「笑顔が溢れる世の中」を本気で実現したいと思っています。

そして、みなさんと一緒なら実現できると、本気で信じています。

仕事でストレスを感じている。

勉強が忙しくてイライラする。

人間関係がなかなか上手くいかない。

生きていれば「喜」や「楽」だけでは過ごしていくことは難しいでしょう。

でも、だからこそ、日常生活の中でどんなに辛いことがあっても、毎月25日のひと時だけはスマホの画面を笑顔で満たしてみませんか?

 

喜怒哀楽はバランス良く、が大切です。

偉大なるマザー・テレサさんはこのような名言を遺しています。

「単なる笑顔であっても、私たちには想像できないほどの可能性があるのよ」

“We shall never know all the good that a simple smile can do”

「平和は微笑みから始まります」

“Peace begins with a smile.”

そう、「笑顔」って誰にでもできる世界平和への第一歩なんです。

国際協力の第一歩なんです。

悲しみの涙が絶えない世界。

喜びの笑顔で溢れる世界。

あなたはどちらを見てみたいですか?

あなたにできることは、その手のひらの中にありますよ。

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25日は「笑顔の日」一緒に楽しんでみませんか?

・この1ヶ月で撮影した飛びっきりの笑顔の写真を

・「#25日は笑顔の日」のハッシュタグをつけて

・インスタに投稿するだけ

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※追記(2018年2月4日)


2月5日も、毎月25日と同様、「笑顔の日」にしましょう!

ハッシュタグは「#25日は笑顔の日」でお願いします!

これまでの投稿


https://www.instagram.com/p/Bb6qXnJHIfg/

https://www.instagram.com/p/BeXrgPHnWsw/

[blogcard url="https://www.instagram.com/yuki_nobuoka/"]

こちらも合わせて。

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こんにちは!新卒「国際協力師」の延岡由規(@yuki_nobuoka)です。

1ヶ月ほど、こちらの更新を止めていましたがブログをやめた訳ではありませんので。

なんだかまた、いろいろと考えを巡らす時期が来たようで。

それらの考えをずっと頭の中を泳がせていましたが、重かった筆というか、指をようやく動かしてこの記事を書いていきます。

国際協力NGOコンフロントワールド代表の原貫太さんとの有料マガジンを10月から始めて、これまで以上に「国際協力」や「世界平和」について考える機会が増えました。

そこで到達するのは、やっぱり自分の想う理想の社会には「笑顔」という要素が欠かせないなあ、ということ。

そこに至るまでの体験を少し、振り返っておきたいと思います。

 

ウガンダで「大変」だったこと


すでにご存知の方も多いかもしれませんが、わたしは学生時代に1年間の休学をしました。京都に本部を置く国際協力団体 認定NPO法人テラ・ルネッサンスのインターン生として、2015年7月から12月始めまでウガンダに滞在し、元子ども兵の社会復帰支援に携わりました。

支援現場の様子を自分の目で見て、自分の肌で感じていく中で様々なことを学ばせていただく機会となりました。

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講演などでよく聞かれる質問の中に、次のものがあります。

 

「現地での生活で辛かったこと、大変だったことはありますか?」

わたしは自称 すーぱーポジティヴ野郎なので、基本的にそのような感情を抱いたことはありません。大変とは「大きく変わる」と書きますし。

うまくいかない時こそ大きな成長のチャンスと捉えて、目の前にある壁を乗り越えた先にある自分の成長や人々の笑顔を想像するんです。

とはいえ、実際に現地で働いていると、きつかったことはあります。正直なところ。

 

 

それは何かと言うと、元子ども兵の方々へのインタビュー。

ウガンダに入って2ヶ月が経った頃、支援対象者の元子ども兵24名に対する生活状況のインタビューを実施しました。

「宗教は何ですか?」

「子どもは何人いますか?」

「悪夢は週に何回見ますか?」などなど。

かなり基本的な情報から始めていきます。そして中盤以降、その方個人のストーリーに触れていくという流れです。

 

つまり、インタビュー後半は対象者が反政府軍にいた兵士時代の実体験を聞いていくのです。

「望まない相手と無理やり結婚をさせられた」

「大人兵士の言うことに従わないと、自分の命が危なかった」

それはもう、本当に悲惨で聞くに耐え難いものでした。

こちらが話すことを強いることは全くしないのですが、対象者は一度話し出すと心の中にある氷が溶けていくように、当時の思い出を涙ながらに語ってくれるのです。

そんなインタビューを1日だいたい3〜5人に、10日間ほど行いました。

もともと、本で読んだり映画で観たりしていたので「子ども兵」という問題についてはある程度、頭の中で理解していたつもりです。

 

しかし、実際にその人の口から、その人の言葉で聞くと、想像していた何倍もの「何か」が心の中に入ってきて。

「辛い」「悲しい」なんて言葉じゃ表せないような。ほんと、言葉に出来ないような感情が込み上げてきて。

インタビューをやり始めてから数週間は、彼ら彼女らの言葉を何度も頭の中で反芻して夜もなかなか眠れませんでした。

同時に、こんな感情も出てきました。

「ああ、自分に何ができるんだろう」

 

わたしを救ってくれたもの


子ども兵の問題って本当に複雑で、凄惨で。大きな大きな問題なんです。

それに対して「大学生が1人現場に来て、いったい何ができるんだろう」って。

まさに今、自分が現地にいて向き合っている、その問題の複雑さや大きさに対して、自分の非力さを痛感しました。

「自分には何もできないのでは」

「なんでウガンダにまで来てこんなに苦しんでいるのか」

夜も眠れずに。そんなことをずっと考えていました。

そんな想いから離れられないまま活動をする日々が続きました。

しかし、わたしの心が折れることなく、目の前にある問題に立ち向かう勇気を与えてくれたのは、やはり、目の前にいるみんなでした。

元子ども兵の方々や、元少女兵が連れて帰ってきた小さな子ども達の笑顔でした。

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みんなの笑顔が、不思議な力を与えてくれるんです。

言葉は通じずとも、「ユウキはそこにいるだけでいいんだよ」とその笑顔が語ってくれているような気がしたんです。

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それ以来、わたしにとっての「世界平和」には、笑顔という要素が欠かせないものとなりました。

こちらも合わせて。 

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こんにちは!新卒「国際協力師」の延岡由規(@yuki_nobuoka)です。

前回の記事でも紹介した通り、今週は集中して各世帯の野菜栽培状況の調査で村をまわっていました。

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昨日も何世帯かまわったのですが、嬉しい出来事があったのです。

Svay Sar村(クメール語でSvay=マンゴー、Sar=白。つまり「白いマンゴー」という意味)に住んでいる対象世帯をまわっていた時のこと。

車から出て、家がある方向に歩いて行くと軒先から、大声でこちらに声をかけ、手招きをする男性がいました。

この村に住むパオさん。彼も地雷事故の被害者です。

クメール・ルージュの看護係としてカンボジア南西部のココン州に赴いていた1987年、彼は地雷事故に遭ってしまったのです。中国製対人地雷 Type-72によって、右足の甲から先が失くなってしまいました。

また、戦闘中に右腕に銃弾を受けたそうです。弾はすでに取り除いているのですが、今でも銃痕が痛々しく残っています。

新卒NGO職員がゆく。photo by Yuki Nobuoka

実施している生計向上支援プロジェクトでは、今年度は養牛、養鶏、やぎ飼育の中から1種類の技術提供、並びに家畜の提供を行います。パオさんは養鶏技術訓練の対象者です。

来週行うトレーニングを前に、すでに鶏舎の建設が進んでいます。

パオさんは、簡単なクメール語しか理解できないわたしに、身振り手振りを交えて何やら嬉しそうに話しかけてきます。その時のきらきらした笑顔がとても印象的でした。

彼の後ろについて行くと、建設が完了した鶏小屋がありました。それを見た時、彼が嬉しそうに話していた内容が理解できたのです。

新卒NGO職員がゆく。photo by Yuki Nobuoka

わたしたちが提供したのは、大きな鶏舎です。

しかし、その中には木材と緑色のネットで作られた小さな籠がありました。ようやく一緒に動いていたカンボジア人スタッフがこちらに来て通訳をしてもらうと、どうやらこの小さな籠は彼自身が作ったものだったのです。

「雛が生まれたら、この箱に入れるんだ!」

新卒NGO職員がゆく。photo by Yuki Nobuoka

色々な目的がありますが、鶏が卵を産んでひよこが生まれたら、ヘビやネズミから護るために小さな巣箱に移して飼うのです。
まだ技術訓練もしていないのに、まだ鶏自体を提供してもいないのに、もうやる気満々、準備万端なのです。

養鶏技術のトレーニングは来週実施する予定なので、もちろん、まだそのようなアドバイスもしていません。

パオさん自身で鶏を飼うのに必要なものを考え、作っていた。

そのことがとても嬉しかったのです。

そして先月配布した野菜の種も、ばっちり植えていました。

新卒NGO職員がゆく。photo by Yuki Nobuoka

どんなプロジェクトもそうですが、事業実施者だけではプロジェクトは成立しません。
そこには、支援対象者や事業をサポートしてくださる多くの方々の存在が欠かせないのです。

国際協力に携わる方なら一度は考えたことがあるであろう「受益者」「支援者」などといった言葉に対する違和感。

わたしも2年前にウガンダの支援現場を訪れてから、これらの言葉を使うことに抵抗がありました。

どうしても支援を「する側」「される側」といった関係が表出してしまうような気がして。

しかし、対外的に説明する際には、他の言葉になかなか置き換えるのが難しいのも事実です。

自分としては、日本をはじめ世界中でわたしたちの活動に共感し、応援をしてくださる方々も、わたしたちの支援対象者である紛争被害を受けた村の人たちも、みんな「パートナー」だと思っています。

他にも様々なセクターの人間が関わって、ひとつの事業が展開できるのですが、それぞれの立場や役割を超えて、「世界を平和にする」という一点においては、紛れもない「パートナー」なんだなあと。

そんなことを思わせてくれるパオさんでした。

新卒NGO職員がゆく。photo by Yuki Nobuoka



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こんにちは!新卒「国際協力師」の延岡由規(@yuki_nobuoka)です。


現在、認定NPO法人テラ・ルネッサンスはカンボジアに事務所を2つ構えています。

バッタンバン市内のメインオフィスと、活動を実施しているカムリエン郡にあるフィールドオフィスです。


ここ最近は、平日のほとんどをフィールドで過ごしており、宿泊部屋もあるフィールド事務所で寝泊りをし、金曜日に街に帰って来ることがほとんどです。


 


モニタリング調査のために対象者のお家を訪問しても、仕事に行って誰もいなかったり。


雨が降ったせいで道が悪く、目的地の村までたどり着けなかったり。


とにかく、フィールドでは想定外のことが起きるのが当たり前なので、ハプニングも想定しながら、ある程度柔軟に動けるように予定を立てていきます。


そんなフィールド事務所では、翌日のスケジュール共有を主な目的として、大抵は晩ご飯を食べた後に終礼を行なっています。


昨日の晩も、カンボジア人スタッフ6人とわたしで終礼をしたのですが、それぞれの想いが止まらなくなり、2時間弱ほどかけて話をしました。


 


4月からここまで、駆け抜けるように動いてきたのですが、自分自身の役割や立ち位置について、仲間と話をすることで落ち着いて考えられる良い時間となりました。


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フィールド事務所にて カンボジア人スタッフらと


 


異文化の人と働く


これは海外の現場で働く者の醍醐味でもあります。(団体によっては日本人だけで現場事業を回しているところもあるのでしょうか、、)


日本国内の企業や団体においても、海外スタッフがいるところはあるかと思いますが、あくまでもフィールドは日本になります。いわば、ホームです。


しかし、カンボジアに来ると、あえて言うならアウェイになります。


 


「郷に入れば郷に従え」という言葉があるように、いくら日本のNGOだとは言え、現地の人と働く上では、その地の文化や習慣などをリスペクトし、大切にしていくのは当然です。


 


ただ、外部者だからこそ見えることや、持ち合わせている知識・スキルもあるわけで、その辺りを押し付けがましくない程度に、どこまで提示して擦り合わせていけるかのバランスを取るのが難しくもあり、楽しいポイントでもあります。


 


「カンボジアの文化だから」


詳しく書くことはしませんが、カンボジア人スタッフの話を聴いていて、仕事をする上で何か問題があり、解決に向けたアイディアを提示すると、しばしば言われるのがこの言葉です。


 


「それも良いと思うけれども、カンボジアの文化はこうだから」


 


それも踏まえて、何か改善に向かうための策を一緒に考えていこうとするのですが、「文化」という厚い壁を目の前に、議論が進まないことも少なくありません。


そこで引くのか、あるいはこちらが思う改善策をさらに提示するのか、バランスが難しいところです。


同時に、現地の人と働く楽しさもここにあると感じています。


 


日本人スタッフとして


現地事務所の運営とプロジェクトの運営は類似点が多いような気がします。


わたしはあくまでも「外から来た人間」です。


日本で生まれ育ったわたしが、カンボジア人とまったく同等のバックグラウンドを有することはこの先も不可能でしょう。


プロジェクトと同じく、最終的には現地の課題を、現地の人達が解決できる状態が好ましいし、そこを目指してスタッフ達と関わっていくべきだと、わたしは思います。


そこで、日本人スタッフとしてカンボジアに来ている自分にできることはなんでしょう。


 


これもプロジェクト実施と同じく、スタッフ1人ひとりのオーナーシップを高めることであったり、それぞれが持っている力を発揮できるような労働環境を整えていくことであったりすると思います。


 


要するに、「誰かの事業」「誰かの事務所」ではなく、プロジェクトや事務所の運営を各スタッフが「自分ごと化」していく仕掛けづくり。


それから、個性を引き出して、うまく掛け合わせていくこと。


 


そのためには、やはり地の文化・習慣へのリスペクトも、新たな視点・方法を取り入れることも、どちらも重要になってきます。


加えて、まずは1人ひとりがどのような想いで業務にあたっているのかを、もっともっと知ること。


 


終礼の中では、全員が口を揃えて「この3ヶ月ほどは本当にやることが多くて、ゆっくり時間をとってミーティングをする暇さえ無かった」と言っていました。


でも、ひと段落しつつある今はスタッフ間のコミュニケーションにも時間を取ることができそうです。というか、取らなければいけないです。


その辺りをうまくリードするのも、自分の立ち位置だからこそできることの1つです。


 


 


日々の業務に対する視座を少し上げて、自分も含め1人ひとりのコンディションやモチベーションにも気を配りつつ、バランスを調整していくことが今の自分の役割なのかもしれないなあと思います。


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